これまでミツバグループは、グループ内のCO2排出量削減に取り組み、着実に成果を出してきました。しかし、カーボンニュートラルの実現に貢献するには、 製品のライフサイクル視点で事業活動により直接的・間接的に排出するCO2排出量の把握・削減にサプライチェーン全体で取り組む必要があります。2021年度より代表取締役社長を委員長とした「カーボンニュートラル委員会」を発足し、その直下に、開発、生産技術、生産、SCM(サプライチェーンマネジメント)の領域を分けた推進部会を設置しました。2024年度からは営業領域も加わった新体制で、従来のグループCO2排出量の削減から、材料調達から製品・部品の輸送、さらに製品の使用段階まで拡大し、サプライチェーン全体での削減に挑戦しています。

カーボンニュートラル達成のためには、材料調達から製品・部品の輸送、さらには製品の使用や廃棄まで取り組み範囲を拡大し、サプライチェーン全体でCO2排出量を削減していく必要があります。また、製品1個当たりのCO2排出量を見える化し、最上流(開発機能)へ情報提供することにより、環境配慮設計や材料選定のさらなる改善につながることが期待できます。


カーボンニュートラルトピックス
「ミツバグループカーボンニュートラル方針」の達成には、グループ内のすべての従業員の協力が必要です。社内向け専用ホームページの開設、教育動画の作成、また外部動向やグループ内の取り組み情報などをまとめた「カーボンニュートラルトピックス」の定期配信など普及啓発にも努めています。
2030年にScope1,2(グループCO2排出量)を2018年度に対して50%削減する目標に向けて、削減構想やロードマップを整備し、高効率生産の実現と生産技術力の進化に挑戦するとともに、再生可能エネルギー導入を進めています。
2024年度は、年9%の削減施策の立案目標に対して、13.2%相当の施策が着実に進められCO2排出量削減と合わせて、高騰するエネルギーコストを抑制することができました。

ミツバグループは、CO2排出量の削減に向けた設備投資を促進するため、2024年度よりインターナルカーボンプライシング(社内炭素価格)制度を導入しました。この制度により、設備の老朽更新や省エネ改善に伴う経済的影響を見える化し、より適切な投資判断につなげています。
ミツバグループは、2030年までに10,000t-CO2相当の再生可能エネルギー導入を目指し、CO2排出量削減と経済的な成長の両立を図るグループ方針を策定しました。2024年度には、ベトナムおよびタイの関係会社でオンサイトPPAモデルによる太陽光発電システムが稼働を開始し、グループ全体の再生可能エネルギー由来の電力量は年間7,660MWhに達しました。今後も各地域の特性に応じた再生可能エネルギーの導入を積極的に進め、持続可能なエネルギー利用の拡大に取り組んでいきます。

コンプレッサー排熱の有効活用
福島工場では、カーボンニュートラル活動の一環として「ナオス・ヤメル・トメル・サゲル・ヒロウ・カエル」の6つの観点で課題を抽出し、改善に取り組んでいます。
「ヒロウ」の観点では、コンプレッサー室の移転と合わせて排熱を有効に活用することを検討し、冬季に最大となる空調負荷を緩和しています。電力使用量や暖房用の灯油使用量を抑制することで年間118.1t-CO2の削減を実現するとともに、従業員の作業環境も改善しています。
低圧成形技術を採用した射出成形機
ミツバ・ベトナムのロテコ工場では、射出成形機のダウンサイジングや樹脂材乾燥機への供給エアー圧力の低減、樹脂材の捨てショット削減などの改善活動を行いました。
射出成形職場では、製品の面積や材料の流動性を考慮した成形条件を見極めて低圧成形技術を採用しています。その結果、110トンの射出成形機を新設することなく、現在ある50トン設備を有効に活用することができ、年間63.6t-CO2の削減や設備投資コストの抑制を実現できました。
ミツバ生産統括部 ロジスティクス課では、ミツバグループで使用している樹脂パレットの廃棄資材を活用し、再生パレットの利用を推進しています。また、梱包資材であるプラスチックや紙製トレーの有効活用を図り、年間63t-CO2の削減を実現するとともに、資材購入コストの抑制にも貢献しています。
さらに、調達物流、生産物流、販売物流の各段階において、トラック、鉄道、船舶、航空などの輸送モード別にCO2排出量の推移を可視化したうえで、課題の抽出と検討を重ね、エリア別の輸送方針を策定することで、製品および部品の輸送時におけるCO2排出量のさらなる削減に取り組んでいます。

ミツバグループでは、Scope1,2 CO2排出量や取水量などの環境パフォーマンスデータにおける透明性と信頼性の向上を目的として、SGSジャパン株式会社による第三者検証受審しています。今後は、検証対象の範囲を段階的に拡大しながら、データの精度向上と継続的な改善に取り組んでいきます。